法的効力を持つ債権回収の方法
債権や貸金を回収する場合で一番揉め事が少なく、比較的スムーズに解決する方法は話し合いによる解決ではないでしょうか?
話し合いの解決には法的な強制力はありませんが、お互いの人間関係の上に成り立つ契約のため、お互いの関係を崩すような手続を行うよりは、話し合いで解決するのであればそちらをお勧めいたします。
しかし、お互いの気持ちとしては、ごたごたしたくないと思っていても、話し合っても問題が解決できなかった時は、法的な手段に踏み切ることも視野に入れた方がいいでしょう。
話し合いで解決できないと判断した時は、司法書士は以下の方法で進めていきます。
内容証明郵便を送付する
□結果として・・・
相手に対して、心理的なプレッシャーを与えることが出来ます。
またその後、訴訟や債権譲渡に発展してしまったとしても内容証明郵便を証拠として利用する事が出来ます。
しかしプレッシャーを与えるといった作用までしかないため、内容証明によって支払を強制させることはできず、相手が応じなければそれ以上どうする事も出来ません。
そのため、内容証明を送っても事が進まない際は「支払督捉」や「少額訴訟」と言われるものが対策として挙げられます。
支払督促の手続をとる
□結果として・・・
簡易裁判所より金銭の支払を命じる督促状を出してもらうことができます。
支払督促の段階では、裁判の手続をすることなく申立ができるので、コストや労力は訴訟を行うよりははるかに軽いものだと思います。
また、支払督促の意味合いとして、国家機関からのプレッシャーとして圧力をかけられるとともに、内容証明よりも重いのに費用がかからず、手続も非常に簡単なためスピーディーに進めていくことが出来ます。
さらに一定期間を経過した場合、仮執行宣言の申立を行えば、強制執行をかける事も出来ます。
ここまで行っても、相手側から異議申し立てがあった場合、通常の訴訟に移行します。
民事調停を行い、和解ができないか検討する
簡易裁判所に申し立て、調停委員会のあっせん・仲介を受ける事によって、双方の和解を目指すものとなります。
□結果として・・・
調停が成立すると、調停調書という書類が作成され、当事者のどちらかが約束に沿った義務を果たさなかった場合、強制執行をかけることができるようになります。
民事調停は訴訟を行う程はコストや時間がかからないものとなり、調停調書によって、強制執行も可能になります。
また司法書士が対応出来るものとして少額訴訟があります。
司法書士は60万円以下の金額の場合に限って少額訴訟を申し立てることができます。
少額訴訟の申し立てをすると、訴状が届き、口頭弁論の期日までに和解に至るケースもあります。
判決で勝訴が出た場合は、仮執行宣言というものが付与され、強制執行に踏み込める権利を得ることができます。
一般的な訴訟に比べて少額訴訟はコストが安くすみ、手続も簡単でスピーディーというところがメリットになります。